相続手続きは、被相続人の死亡を知った後、相続人となる人が遺産分割や相続税の申告など様々な手続きを行う必要があります。
例えば、遺言書を確認し、次に相続人を確定し、遺産の調査を行います。その後、遺産分割協議を行い、遺産の名義変更、そして最後に相続税の申告・納付を行うことになります。
相続手続きは、相続人の人数や財産の種類、遺言の有無などによって大きく異なる場合があります。特に不動産の名義変更や相続税の申告など、専門的な知識を要する場面も多いため、早期に専門家(税理士など)に相談することが重要です。相続税対策を含め、スムーズな手続きを行うことで、余計なトラブルを未然に防ぐことができます。
相続手続きの流れ(フローチャート)
1. 遺言書の有無を確認する
被相続人が遺言書を残しているか確認します。遺言書がある場合は、家庭裁判所で検認(裁判所の確認)手続きを行う必要があります。自筆証書遺言や公正証書遺言など、形式に応じて対応が異なります。
2. 相続人を確定する
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本などを取得し、法定相続人を確定します。相続人の調査は、相続トラブルを防ぐうえで非常に大切なステップです。
3. 相続財産の調査をする
預貯金、不動産、有価証券、借入金など、相続対象となる財産や債務の全容を明らかにします。正確な財産目録を作成することで、遺産分割や相続税の申告がスムーズに進みます。
4. 相続放棄・限定承認の選択
相続人全員で遺産分割協議を行う前に、相続放棄または限定承認を行うかどうかを検討します。
- 相続放棄:相続によって発生する財産・債務すべてを放棄する手続き。家庭裁判所への申述が必要です。
- 限定承認:相続財産の範囲内で債務を引き継ぐ方法です。主に借金がある場合に利用されます。
これらはいずれも相続開始から3か月以内に行う必要があるため、早急な判断が求められます。
5. 遺産分割協議を行う
相続人全員で遺産分割協議を行い、各相続人がどの財産をどのように分けるのかを協議します。
遺産分割協議は、原則として相続人全員の同意が必要であり、協議内容をまとめた「遺産分割協議書」を作成することで、後の手続きがスムーズになります。
6. 遺産の名義変更手続きを行う
遺産分割協議がまとまったら、不動産や銀行口座など、遺産の所有権に関する名義変更の手続きを行います。
不動産の相続登記は法改正により義務化され、2024年からは正当な理由なく放置すると過料の対象になるため注意が必要です。
7. 相続税の申告・納付をする
相続税の申告は、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。
相続税の申告書には、財産評価・控除の適用・分割方法の記載が求められるため、専門家によるサポートが有効です。
相続財産の評価や特例の適用により、税額が大きく異なることがあるため、贈与歴や生前対策も踏まえた慎重な判断が必要です。
8. その他の手続き
遺産分割協議が完了した後に、必要に応じて、被相続人の自動車の名義変更・ナンバープレートの返還、生命保険の保険金の受取手続き、公共料金の解約など、細かな事務処理も行います。
このような手続きは漏れが生じやすく、チェックリストの活用や専門家のフォローがあると安心です。
相続手続きは、法的・税務的な観点を含めて多岐にわたる煩雑な作業です。特に、相続税の申告や不動産の相続登記などは、申告期限や法改正の影響を受けやすく、慎重に対応する必要があります。
フォルテシア総合会計事務所では、税理士が相続に関する手続きをトータルでサポートしております。
相続税の節税や手続きに不安がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
